生涯を通じて自然と関われる仕事を求めて、未経験から農業に挑戦Q. 佐野さんのこれまでのキャリアを教えてください。私は高校を卒業してから約2年間、ゴルフ場で草木のメンテナンス業務に携わっていました。小さい頃から土いじりや植物・虫が好きで、高校でも農業土木や測量・造園を学べるコースを選択していました。その延長で「植物に関わる仕事がしたい」と考え、この道に進みました。その後、本格的に造園の仕事に就きたいと思い転職活動を始めましたが、業界の方から「造園をやりたいなら個人事業主になるべき。大きな会社に入ると、土木系の仕事が中心になるよ」と助言をもらったんです。この言葉をきっかけに、自分が進みたい道を改めて考えるようになりました。ただ、個人事業主になるつもりはなかったので、土や自然に関わりながら生涯続けられる仕事を求めて、農業の道へ進むことを決意し、地元から離れず通える農業法人を探す中でアグレスと出会い、入社を決めました。Q. アグレスへの入社を決めた理由を教えてください。一番の決め手は、面接のときに感じた和気あいあいとした社風です。前職は男性社会で、同僚もほとんど10歳以上年上。少し荒っぽい雰囲気もあり、若手の私には話しづらさもありました。一方アグレスは、作業員は男性が中心ですが、事務には女性もいて、さらに社員の多くが当時の私と同じ20代でした。明るく和やかな雰囲気で、年齢も近いことから皆さん話しやすく、ここなら自然体でいられると感じ、入社を決めました。また、野辺山の農場からは雄大な八ヶ岳が一望でき、通勤途中には富士山が見えるスポットもあります。自然が好きな私にとって、そうした美しい景色に日常的に触れられる環境も大きな魅力でした。栽培現場から事務まで。個人の要望に応じた、柔軟なキャリアパスQ. アグレスで経験してきた仕事内容を教えてください。1年目は野辺山の拠点でほうれん草を担当し、播種やロータリーでの耕うん、調整室での作業など一通りの工程を経験しました。その後は露地チームに異動し、レタス・キャベツ・白菜の栽培に携わった後、再びほうれん草の調整室に戻り、選別・計量・梱包などの出荷に向けた作業を担当しました。6年目からはコーポレート部門に異動し、現在は主に採用関係の業務や、実習生・パートスタッフのサポートなどを任されています。経理や労務は専任のパートスタッフが担当しているため、私はそれ以外の業務全般を幅広く担当しています。Q. そうしたポジションの異動には、どのような経緯があったのでしょうか?基本的には、自分の希望と会社の考えをすり合わせながら決まっていきました。露地チームへの異動は、もともと私の希望でした。しかし実際にやってみると体力的にかなり大変で、長く続けるのは難しいと感じたんです。そこで社長と相談し、調整室に移ることになりました。露地チームでは他のメンバーの作業スピードについていけない場面が多かった一方で、調整室では並んで速いペースで作業ができ、結果的に自分に合った役割を見つけられたと感じます。その後の事務への異動は、家庭の事情が大きな理由です。時間の融通が利く仕事を希望していたところ、ちょうど会社としても事務の人員が必要になり、お互いの事情が合致して異動が決まりました。こうして個々の状況や適性に合わせて柔軟にアサインを考えてくれるのも、アグレスの魅力の一つだと思います。Q. 1日のスケジュールを教えてください。現場メンバーと同じで、コーポレート部門も繁忙期と農閑期で勤務時間が変わります。繁忙期はだいたい7時半から19時半ごろまで働くことが多いですが、農閑期は7~8時間ほどで仕事が終わるイメージですね。やることをしっかりこなせば細かく指示されることはないので、仕事の開始・終了時間は自分で調整しながら働いています。仕事内容は日によってさまざまです。実習生の付き添いで免許センターや病院に行く日もあれば、採用関連の作業をする日もあります。また、作業受託のために周辺の農家から野菜などを受け取るときには、フォークリフトを操作することもあります。社員の挑戦を全力で後押しする、アグレスのカルチャーQ. 記憶に残っている「挑戦」のエピソードを教えてください。直近で特に印象に残っているのは、アグレスとして初めて学生向けのインターンシッププログラムを企画・開催したことです。私はアグレスが法人化してからの歴史の半分以上を見ており、苦しい時期も経験してきたからこそ、インターンを開催できるまでに会社が成長したことには大きな感慨があります。インターンは2日間で実施し、農作業体験やディスカッションを行いました。参加した学生からは「農業法人で働くイメージが具体的になった」「5億円規模の生産体制を肌で感じることができた」といった感想をいただきました。もちろん、将来的に参加者がアグレスに入社してくれたら何より嬉しいですが、私たちの目的は農業そのものへの関心を高めてもらうこと。人手不足が深刻なこの業界で、若い世代に魅力を伝える第一歩を踏み出せたことは、私にとっても会社にとっても大きな挑戦であり、達成感のある経験でした。Q. アグレスで働く魅力はどんな点にあると感じますか?一番は、社長の人柄だと思います。社長は自然に人との距離を縮め、信頼関係を築くのがとても上手なんです。日頃から社員とのコミュニケーションも大切にしており、社長室などは設けず、いつも事務所にいることで気軽に相談できる環境をつくってくれています。実際、アグレスに入社した社員の中には「社長に惹かれて入社した」という人も少なくありません。社員を大切にする姿勢は制度面にも表れています。例えば「アニバーサリー休暇」は、自分やパートナー、子どもの誕生日に年1回ずつ取得できる特別休暇です。忙しい中でもプライベートも大切にできるようにという、社長の配慮が感じられます。Q. 会社の雰囲気やカルチャーを教えてください。特徴的なのは、社員の挑戦を応援してくれるカルチャーだと思います。例えば、あるメンバーが「微生物を培養して土づくりに活かしたい」と提案したときも、社長はすぐに後押しし、今もその取り組みが続いています。「畑の隅で自分の好きな作物を育てたい」という希望に対しても、場所を貸して支援してくれるほどです。独立したいという意向も前向きにサポートしてくれる環境で、実際にアグレスから独立し、農家として活躍している人もいます。腰を据えて長く働きたい人も、ここをステップに独立を目指す人も、それぞれの道を応援してもらえる。そんなカルチャーがあるのが、アグレスの魅力だと思います。Q. アグレスで「すごいな」と思った人と、そのエピソードを教えてください。私から見ると、アグレスのメンバーはみんな仕事に真剣に向き合っていて、本当にすごいなと思います。特に、忙しいなかでも家庭と仕事を両立させながら活躍している人たちは、尊敬しかありません。一方で、農業は繁忙期と農閑期の差がはっきりしているため、落ち着いた時期には家族との時間をしっかり取れるという側面もあるのだなと、実際に見ていて感じます。そうしたメリハリのある働き方ができる点は、農業ならではの魅力かもしれません。日本の食を支え、守る挑戦を一緒にQ. 今後のキャリアビジョンを教えてください。今は事務を担当していますが、将来的には再び現場にも関わっていきたいと考えています。もともと現場志望で入社しましたし、時々フォークリフトに乗って作業をしていると、「やっぱり楽しいな」と感じるんです。今は会社として挑戦したいことに対して人手が足りていない状況でもあります。だからこそ、少しずつでも現場に入りながら、現場のメンバーをサポートできる存在になれたらと思っています。Q. 「農業の未来」について、考えていることはありますか?最近の世界情勢を見ていると、輸入や輸出が不安定になっていくリスクを強く感じます。そのため、アグレスではもともと国内消費向けの農業を行っていますが、日本全体でも「地産地消」の仕組みを広げていくことが、日本の農業を守っていくうえでも大切だと思います。国内で必要な分を安定的に生産・消費できる体制が整えば、無理に大規模化する必要もなく、環境への負荷も抑えながら農業を続けられるはずです。また、国内生産の割合を高めることは、日本の食料安全保障にもつながります。まだ具体的な形までは描けていませんが、アグレスが、そうした持続可能で地域に根ざした農業のモデルの一つになれたら嬉しいですね。Q. 最後に、アグレスへの入社を検討している方々へのメッセージをお願いします。これから農業の世界に飛び込もうとしている方の中には、「体力的に大変そう」「未経験でもやっていけるのかな」と不安に思う方もいるかもしれません。ですが、アグレスには人柄のいい社員が揃っていて、職場の雰囲気もとても和やかです。コミュニケーションも取りやすく、未経験の方でも安心して働ける環境だと思います。実際、私も含め未経験で入社したメンバーも多くいます。農業の世界に飛び込むのは大きな一歩だと思いますが、アグレスならその一歩を無理なく踏み出せるはずです。日本の食を支える仲間として、一緒に働ける日を楽しみにしています!